【バロック.シーンリスト】袋の者、箱の者、首の者
【袋の者】 | |
24 | 萩原朔太郎は詩の中でこう言っていた。 「おわぁ、こんばんは」 「おわぁ、こんばんは」 「おぎやあ、おぎやあ、おぎやあ」 「おわああ、ここの家の主人は病気です」 |
55 | マリーは言っていた。 「かじるにかたすぎる骨は、獲物に投げ当てるのよ」 |
64 | 大熱波直前に、感覚球が叫んでいた。 「引き裂かれる! やめて! もはや、遅すぎる。 ダァバール融合は成された! 今、引き裂けば、世界は歪んでしまう!」 |
77 | カミーユは言っていた。 「世界が泣いているのか? だが、その手につかんだものとともに彼らはきえようとしているのだ |
106 | あなたは、何も言わない…。 |
145 | おまえと、もうひとりのおまえは手術の時に叫んでいた。 「どうして引き裂く? ぼくは、自分の一部を失ってまで生きていたくないというのに!」 |
161 | 上級天使は言っていた。 「創造維持の核があれば、幾度でも世界をやりなおすことができる。 次に世界を創造維持するのは、わたしだ。 一瞬で、世界を正常にもどしてやる」 |
203 | わたしの父は言っていた。 「歪んでいくオマエを見て…いるぐらいなら…」 あぁあぁ、父さん、父さん、父さん。 |
わたしの父はこう言っていた。 「歪んでいくオマエを見ているぐらいなら、 いっしょに死ぬほうが幸せだと思うんだ」 |
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わたしは首をしめている父にこう言った。 「父さん! 死にたくない、死にたくない!助けて、やめて、やめて!」 |
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わたしは言っている。 「父さんはわたしを殺そうとした。 あなたは、あなたを殺そうとしているの?」 |
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マリーは言っていた。 「何、これ?あなた、こんなもの使ってるの?」 |
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マリーは言っていた。 「液は注入するモノちょっと回復したりもするわよ」 |
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マリーは言っていた。 「イデアセフィロスは、その者がもつ中心だと言われているわ」 |
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詩人ハーテルはこう言っている。 「バロック世界では、歪みこそが美であると思え」 |
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野田博士はこう言っていた。 「偽装天使たちが見つけた偉大なる力とは、 最終兵器のことだったにちがいない。 狂信者たちのせいで世界は歪んでしまった」 |
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ルカは言っていた。 「痛い痛いぼくをぶたないで痛い痛い」と |
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マルクト教団の者たちは言っていた。 「感覚球は最下層へ集結し、 世界はそこに収まり、世界はそこから放たれる」 |
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偽装天使たちはこう言っていた。 「我々が世界の偉大なる力を見いだした」 |
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偽装天使たちが言っている。 「神経塔へ行くんだ」と。 |
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偽装天使たちが言っている。 「神経塔は聖域だ。 我々を守り、我々が守らねばならぬ」と。 |
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天使虫リトルたちは叫んでいる。 「苦しい! 浄化して! 苦しい!」 |
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カンオケ男は言っていた。 「デス」と。 |
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角女は言っていた。 「何をしているんだ?」と。 |
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物の者は言っていた。 「感覚球が吐き出したアイテムを集めてるんだ」と。 |
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首の者は言っていた。 「培養液を見せないでくれ。 後悔している。 あやまる、あやまるよ」と。 |
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首の者は言っていた。 「私が埋って、結晶になったら私の結晶をみんなに見せてくれないか」 |
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首の者のイデアセフィロスは言っている。 「埋ってしまえ埋ってしまえ埋ってしまえ」 |
【箱の者】 | |
30 | 箱の中と外は、どうちがうんだろうな? 開けてしまえば、みな同じなのだろうか。 世界にも、中と外があるんだろうか? いけねぇ、くだらねぇバロックにとりつかれそうだよ。 |
88 | 夢を見た。 娘の夢だ。 首をしめられている。 苦しんでいる。 助けてやりたい、助けてやりたいんだ。 |
101 | や、やめろ、やっばり嫌だ。 |
122 | 娘は、私の宝だったのだ。 それなのに…。 私は何を言っているんだ? 娘はここにいる。 箱の中に! よみがえる時を待っているのだ! |
141 | ああ! なにをするんだ!? 箱を、娘を! 私のバロックを壊したな! そうさ、箱の中には何も入ってやしない。 私の妄想が入っていただけだ。 それにすがって、生きていただけなんだ。 もうだめだ。 もうだめだ。 もう生きていく意味はない。 さあ、私の首をしめてくれ!! |
152 | 箱はどこだ。 箱が、私には箱が必要なんだ…。 |
192 | これは娘の涙。 …娘は、泣いていた。 死にたくない死にたくないと叫んでいたよ。 歪んでいく娘を見るくらいなら、いっしょに死ぬほうが幸せだと思ったんだ。 だけど、動かなくなった娘を見て、死ぬのが怖くなった…。 この結晶…娘は生きていたのだね。 娘は、何か言っていなかったか? 私は、どうすればいいんだろう…。 |
204 | 上級の行動は常軌を逸していた。 偽感覚球も制御できなくなることは明白だった。 いや、そんなことを言っても、大熱波は予測を大きく越えた現象だ。 何だ、あれは? |
212 | 知っていたら教えてくれ。 偽装天使が見つけた力は、どこにあるんだ? 必要なんだよ。 箱の中身と再会するために。 |
219 | 痛み…私は、この者たちの痛みを知っていながら、何もしなかった。 私にこれをもっている資格はなぁぁーいっ! |
230 | 私は、死んではいけないのだ。 娘のイデアセフィロスを抱いて、娘の生を、私は生きる。 |
危ないではないか。 大切な箱が壊れたらどうするんだ!? | |
箱以外のものは必要ないんだ。 こんなもの、いらぁーぬっ! | |
ああ! 痛い痛い痛い痛い!痛みの魂が飛び 私に伝わる。 これ以上、痛みを使うな! |
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革命だ!今こそ、生と死を反転する革命を!って夢も見たくなるよなぁ…。 むなしくなるから、こんなもの、いらぁーぬっ! |
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箱をくれるか。 うれしいねぇ。 おれいに、これをあげる。 | |
偽装天使たちが見つけ出した力さえあれば、再び娘に会えるんだ。 この箱の中の娘に。 |
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偽装天使たちが見つけた神の力というのは、蘇生術のことだと思うんだ。 娘も、その力によって蘇るにちがいないよ。 |
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私も死ぬべきなのか? | |
私は、上級天使のしていることを知っていながら、何もしなかった。 だが、何もしないことほど悪いことはないよ。 |
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娘よ もどってきておくれ はぁはぁうぅ はぁって こんなことしてる場合じゃない。 こんなもの、いらぁーぬっ! |
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わあははははははははははは。 わはははは、わはは。 わははははは | |
この心臓を移植できたら…。 って、腐ってるじゃないか。 いらぁーぬ! | |
培養液…。 娘が生きていれば、娘を増やすことができるかもしれないが、 死んだ娘がよみがえるわけじゃない。 こんなもの、いらぁーぬっ! |
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【首の者】 | |
6 | ぶくぶくぶくぶく太っていく。 いろんなものが私の中にとりこまれていく。 歪みは終わっちゃいないんだ。 |
32 | かんおけ男、なんかすごいダンジョンを作るって言うってやがる。 気にくわれえ。 |
52 | あやまるよ。 だから培養液を見せないでくれ。 培養液でリトルの培養を手伝ったことは後悔している。 あやまる、あやまるよ。 苦しくて、いっそ死んでしまいたいよ。 私には地上で生きていく資格などないのだ。 |
60 | 私には地上で生きていく資格などない。 大地にもぐっていれば安らかだ。 心臓の種でもくれないか、ちょっと腹がへった。 |
84 | やらないよ。 心臓の種は貴重なんだ。 本当は食べずに埋めて、きれいな花をさかせてやりたいんだけどもぐもぐ。 |
104 | 勇気ってなんなのだろうか? 私には立ち向かう勇気がなかったのだろうか? いや、ダガ腹へった。 心臓の種をくれないか? |
140 | うぐっ…私の結晶は… |
146 | 天導天使にはさからえなかった。 いや、あれは上級天使様の命令だったんだ。 だけど、培養なんか手伝うんじゃなかった。 |
174 | うおおおおん うおおおおおんって 奇妙な声が神経塔から聞こえてくるんだ。 |
213 | 気にくわねえ。 かんおけ男、地下墓地でもうけてやがる。 |
228 | 寒くはないのだ、心をのぞけば。 そもそもわたしには、ここで生きる資格などない。 だが、腹はへるのだ。 心臓の種をくれないか? |
あああ、私は、私は、なんてことをしてしまったんだ。 | |
このまま法則やキリツのねじれた世界がつづくのだろうか? | |
じろじろ見ないでくれないか。 なにか言えよ、しゃべることができないのか。 | |
そうだな、私は死んだほうが良いのかもしれないな。 | |
その銃、使わないでくれないか。 いや、もう何を悔やんでも遅すぎるのだが。 |
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その翼…、偽装天使たちの仲間なのか? 思い出したくない…。 どこかに行ってくれよ。 |
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ちゃんと、こっちに投げてくれ。 たのむよ。 | |
上級天使様が、すぐに歪んだ世界をなおしてくれるはずだ。 私はそのためにあんな気味の悪いことまでやったのだからな。 |
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大熱波が起こる前に、感覚球が各地で見つかったのは、なぜなんだろう? 今までに存在しなかった構成要素だとかで宇宙から飛来したと 騒いでいたヤツもいたな。 |
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今でもリトルたちの声が聞こえる気がするよ痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い 痛い痛い痛いヤツらは、いつまでもずっと叫んでいるんだ。 |
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心臓の種がほしいな。 だいすきなんだよ、心臓の種。 | |
死ね、死ね、そのとおりだ。 私は死ね死ねだ。 死ね死ねだぁぁ。 | |
私は、狂ってるか?それとも、世界のほうが狂っているのか? どう思う? なにか言えよ。 私は地上で生きていく資格はあるのか? |
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私もコリエルたちのように戦うべきだったのかもしれない。 培養なんか手伝うくらいならば…。 |
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私を責めるために何度もやってくるのか? 君は知っているんだろう、私がしてしまったことを…。 |
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埋ってしまえ埋ってしまえ埋ってしまえ埋ってしまえ埋ってしまえ埋ってしまえ 埋ってしまえ埋ってしまえ埋ってしまえ!! |
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結晶、結晶、結晶、結晶。 でもいらない。 こんな私にはジャマになるだけだ。 |
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箱の者は、どうしてるのだろうか? また落ち込んでたりするのだろうな。 |
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